暴風雪警報とは、雪を伴う強い風によって重大な災害が起こるおそれがあるときに気象庁が発表する警報です。冬場の天気予報で耳にする機会が多く、大雪警報や暴風警報とどう違うのか気になる方も多いのではないでしょうか。ここでは暴風雪警報の意味と発表される基準、実際に出されたときの行動の目安を整理します。
暴風雪警報は、風の強さと視界の悪化という二つの危険が重なる状況で発表される点が特徴です。雪国だけでなく、平地でも急な低気圧の接近によって発表されることがあります。制度としての位置づけを知っておくと、発表されたときに落ち着いて行動しやすくなります。
この記事では、気象庁の資料をもとに暴風雪警報の定義や基準、似た警報との違いを分かりやすくまとめます。読み終えたころには、暴風雪警報が出たときに何を確認すればよいかが見えてくるはずです。防災に関心のある方はぜひ最後まで読んでみてください。
暴風雪警報とは何か、大雪警報や暴風警報との違い
まずは暴風雪警報がどのような警報なのか、気象庁の分類のなかでどの位置に置かれているのかを整理します。大雪警報や暴風警報、風雪注意報との違いもあわせて確認すると、意味の理解がぐっと深まります。
暴風雪警報の定義
暴風雪警報は、雪を伴う暴風によって重大な災害が発生するおそれがあると予想したときに、気象庁が発表する警報です。風の強さだけでなく、雪が舞って視界が遮られることによる危険にも警戒を呼びかける点が特徴です。気象庁が発表する情報は、災害の起こりやすさに応じて予報、注意報、警報、特別警報という段階に分かれており、暴風雪警報はこのうちの「警報」に位置づけられています。
ただし、これは「大雪+暴風」という単純な足し算の意味ではありません。大雪そのものによって重大な災害が発生するおそれがあると予想されるときは、暴風雪警報ではなく大雪警報が発表される仕組みになっています。風と雪、どちらの危険が主体になっているかで発表される警報の種類が変わるわけです。名前が似ている警報でも、想定している被害の中心が異なるため、発表された警報の名称を正確に確認しておくことが大切です。防災アプリやニュース速報を見るときは、「暴風雪」「大雪」「暴風」のどの文字が使われているかを意識してみると、警戒すべき内容が把握しやすくなります。
暴風雪警報と大雪警報の違い
大雪警報は、降雪や積雪による住家等の被害や交通障害など、大雪そのものによって重大な災害が発生するおそれがあると予想されたときに発表されます。一方の暴風雪警報は、雪を伴う「暴風」が主体の警報です。どちらも冬季に多く発表される警報ですが、注目している現象の中心が「雪の量」か「風の強さ」かという点で異なります。
例えば、風がそれほど強くなくても雪の量が非常に多いと予想される場合は大雪警報が優先されます。反対に、雪の量自体はそこまで多くなくても、強い風によって雪が舞い上がり視界が悪化すると見込まれる場合は暴風雪警報が発表されることになります。どちらが発表されているかを確認すると、警戒すべきポイントの違いが見えてきます。実際の天気予報では、大雪警報と暴風雪警報のどちらか一方だけが発表される日もあれば、状況によって切り替わっていく日もあります。テレビや防災アプリで警報名が変わったときは、想定されている危険の中心も変わっていると考えておくとよいでしょう。雪かきなど大雪特有の対応が必要な場面と、飛来物や視界不良への対応が必要な場面とでは、準備しておきたいものも異なってきます。
暴風雪警報と暴風警報の違い
暴風警報は、雪を伴わない強い風によって重大な災害が発生するおそれがあると予想したときに発表される警報です。暴風雪警報との違いは、雪を伴っているかどうかという点にあります。夏から秋にかけての台風接近時には暴風警報が発表されることが多く、冬の低気圧接近時には雪を伴う暴風雪警報が発表されやすい傾向があります。
暴風雪警報では、風による被害のおそれに加えて、雪が舞うことで視界が遮られる「ホワイトアウト」のような状態への警戒も呼びかけられます。車の運転や外出の際は、風の強さだけでなく視界の悪化にも注意しておくと安心です。季節や地域によって、暴風警報より暴風雪警報のほうが発表されやすいこともあります。雪の少ない地域に住んでいる方は聞き慣れない警報名に感じるかもしれませんが、寒波の影響で普段雪の少ない地域にも発表されることがあるため、名前だけでも知っておくと安心です。暴風警報が発表されているときに雪の予報も出ている場合は、途中で暴風雪警報に切り替わる可能性も考えておくとよいでしょう。
暴風雪警報と風雪注意報の違い
風雪注意報は、雪を伴う強風により災害が発生するおそれがあると予想したときに発表される注意報です。暴風雪警報との違いは、想定される災害の重大さのレベルにあります。
注意報は「災害が起こるおそれがある」段階、警報は「重大な災害が起こるおそれがある」段階という位置づけになっています。風雪注意報が発表されている状態から状況が悪化すると、暴風雪警報に切り替わることがあります。注意報の段階から早めに備えておくと、警報が出たときにも落ち着いて対応しやすくなります。例えば、風雪注意報の時点で洗濯物や物干しを片付けておく、外出予定を前倒しにしておくといった対応をしておくと、警報に切り替わったときの慌てた行動を減らせます。注意報から警報への切り替わりは短時間で進むこともあるため、注意報の段階から気象情報をこまめに確認しておくと安心です。
「大雪+暴風」ではなく、雪の量が主な原因のときは大雪警報が発表されます。
視界不良(ホワイトアウト)への警戒も呼びかけられます。
注意報より一段重い、警戒レベルの警報です。
- 暴風雪警報は雪を伴う暴風による重大な災害の警報です
- 大雪が主な原因のときは大雪警報が発表されます
- 暴風警報との違いは雪を伴っているかどうかです
- 視界不良(ホワイトアウト)への警戒も呼びかけられます
暴風雪警報の発表基準と特別警報との関係
ここまで暴風雪警報の位置づけと似た警報との違いを見てきましたが、続いては具体的にどのような基準で発表されるのかを整理します。地域によって基準が異なる点や、特別警報との関係も確認しておくと、発表されたときの重大さを判断しやすくなります。
発表基準は地域ごとに異なります
暴風雪警報が発表される風速や雪の条件は、全国一律の数値ではなく、地形や気候の違いを踏まえて地域ごとに設定されています。気象庁は各地の気象台単位で発表基準を公開しており、住んでいる地域の具体的な数値は気象庁公式サイトの発表基準のページで確認できます。同じ「暴風雪警報」という名称であっても、発表の目安となる風速や積雪量は地域ごとに違うわけです。
例えば、雪の多い地域と少ない地域では、同じ風速であっても危険度の感じ方が異なります。そのため、目安となる数値については「発表基準の詳細については、気象庁公式サイトの発表基準のページでご確認ください」という案内に沿って個別に確かめておくと安心です。引っ越しをした直後や旅行先など、住み慣れていない地域にいるときは特に、その土地の基準を事前に調べておくと安心につながります。地元の気象台のホームページをブックマークしておくと、必要なときにすぐ確認できて便利です。
特別警報に切り替わる基準
暴風雪警報が発表されている状況からさらに危険度が高まると、暴風雪特別警報に切り替わることがあります。気象庁の資料では、中心気圧930hPa以下または最大風速50m/s以上の台風、あるいは同程度の温帯低気圧により雪を伴う暴風が吹くと予想される場合に、暴風雪特別警報が発表されるとされています。
特別警報は、数十年に一度といえるような特に異常な状況で発表される最高レベルの警報です。暴風雪警報の段階から特別警報に切り替わったときは、すでに重大な災害が発生している可能性も高いため、屋外への移動は避けておくことが大切です。特別警報が発表された場合は、自治体からの避難指示などの情報にもあわせて注意しておくとよいでしょう。過去に発表された例は少ないものの、いつどの地域で発表されてもおかしくない情報として頭に入れておくと安心です。
警報の発表主体は気象庁です
暴風雪警報が出るまでの流れを押さえたところで、今度は誰が警報を発表しているのかを確認します。暴風雪警報を含む気象警報は、国の機関である気象庁が発表します。テレビやスマートフォンの防災アプリで表示される警報も、もとになる情報は気象庁が発表したものです。
自治体が独自に発表する避難情報とは発表主体が異なるため、警報と避難情報の両方を確認しておくと状況を把握しやすくなります。例えば、暴風雪警報が発表されているときに自治体から避難に関する呼びかけが出ることもあり、両方をチェックしておくと安心です。防災アプリの通知だけに頼らず、自治体からの情報にも目を向けておくとよいでしょう。自治体のホームページやSNSアカウントをあらかじめ確認しておくと、いざというときに情報を探す時間を減らせます。
複数の警報が同時に出ることもあります
冬の低気圧が発達する場面では、暴風雪警報と大雪警報、あるいは波浪警報が同時に発表されることがあります。これは、風・雪・波などそれぞれの現象について個別に発表基準が設けられているためです。
複数の警報が重なっている状況は、単独の警報のときよりも危険度が高いと考えられます。具体的には、外出を控えるだけでなく、停電や断水など複合的な被害への備えも同時に意識しておくと安心です。沿岸部に住んでいる場合は、波浪警報の内容にもあわせて注意しておいてください。内陸部でも、暴風雪警報と大雪警報が重なる状況では、除雪作業や通行の判断にいつも以上に気をつける必要があります。
| 種別 | 主な発表条件 |
|---|---|
| 大雪警報 | 大雪そのものによる重大な災害のおそれ |
| 暴風警報 | 雪を伴わない強風による重大な災害のおそれ |
| 暴風雪警報 | 雪を伴う暴風による重大な災害のおそれ |
| 風雪注意報 | 雪を伴う強風による災害のおそれ(警報より軽い段階) |
- 発表基準は地域ごとに異なり、詳細は気象庁公式サイトで確認できます
- さらに危険度が高まると暴風雪特別警報に切り替わります
- 警報の発表主体は気象庁で、避難情報は自治体が発表します
- 複数の警報が同時に出ることもあります

暴風雪警報が出たときにとるべき行動
発表基準と特別警報との関係を押さえたら、今度は実際に暴風雪警報が出たときの具体的な行動を確認します。外出時と自宅にいるときのそれぞれの対応を確認しておくと、いざというときに慌てず動けます。
不要な外出は避けます
暴風雪警報が発表されている間は、不要な外出を控える対応が基本になります。風と雪の両方が危険な状態のため、外での作業や移動は事故につながりやすくなります。
例えば、通勤や通学については、自治体や勤務先、学校からの案内に従うことが基本になります。「どうしても出かける必要がある」という場合以外は、屋内で待機するようにしておくと安心です。高齢者や子どもがいる家庭では、外出そのものを控える判断がしやすい環境を整えておくとよいでしょう。ペットを飼っている家庭では、屋外での散歩を控え、室内で過ごせるように準備しておくことも大切です。買い物や通院など生活に必要な外出がある場合は、警報が出る前の時間帯にまとめて済ませておくと安心です。
車の運転はホワイトアウトに注意します
暴風雪警報の状況では、風で雪が舞い上がることで視界が急激に悪化する「ホワイトアウト」が起こることがあります。車を運転している最中にホワイトアウトが発生すると、周囲の状況が一瞬で見えなくなることがあります。
具体的には、無理に走行を続けず、安全な場所に停車して視界の回復を待つことが大切です。高速道路では速度規制や通行止めが行われることもあるため、出発前に道路情報を確認しておくと安心です。冬用タイヤやチェーンの準備も、走行前の基本的な備えになります。普段雪の少ない地域に出かける場合は、レンタカー会社や道路管理者の案内で冬用タイヤの装備状況を確認しておくと安心です。車間距離を普段より広めにとることも、視界不良の状況では特に意識しておきたいポイントです。
建物や設備の被害に注意します
強い風と雪が重なる暴風雪警報の状況では、屋根や外壁の破損、飛来物による被害が発生しやすくなります。事前に家の周りを見て、飛ばされやすいものを片付けておくと被害を減らせます。
例えば、物置やベランダに置いてある軽い荷物、植木鉢などは、風で飛ばされてけがや破損の原因になることがあります。「警報が出そうだ」という予報の段階で片付けておくと、当日の作業を減らせます。雪の重みで倒木や電線への影響が出ることもあるため、周辺の様子にも目を向けておいてください。持ち家か賃貸かにかかわらず、窓や雨戸の補強を確認しておくと安心につながります。カーポートや自転車置き場など、屋外にある設備も雪の重みで壊れることがあるため、積雪が多い地域では定期的な確認が欠かせません。
停電や通信障害への備えも必要です
暴風雪の影響で電線や設備に被害が出ると、停電や通信障害が発生することがあります。暴風雪警報が発表されているときは、停電に備えて情報収集の手段を複数用意しておくと安心です。
例えば、スマートフォンの充電を満タンにしておく、ラジオを準備しておくなどの対応が挙げられます。ポータブル電源を活用する場合は、製品評価技術基盤機構(NITE)が公開している安全な使用方法の案内も確認しておくとよいでしょう。停電が長引く可能性を考え、照明や暖房の代替手段も事前に確認しておくと落ち着いて過ごせます。小さな子どもや高齢者がいる家庭では、暖房が使えない時間が長くなる場合の防寒対策もあわせて準備しておくと安心です。非常食や飲料水についても、停電時に調理の手間がかからないものを日ごろから少し多めに備えておくと心強い備えになります。
Q1. 暴風雪警報と大雪警報が同時に出ることはありますか。
A1. 風と雪、それぞれの現象について個別に基準が設けられているため、同時に発表されることがあります。
Q2. 暴風雪警報が解除されたら安心してよいですか。
A2. 解除後も路面の凍結や積雪の影響が残ることがあるため、周囲の状況を確認しながら行動するとよいでしょう。
- 暴風雪警報の間は不要な外出を控えます
- 車の運転時はホワイトアウトに注意し、無理な走行を避けます
- 飛来物対策として家の周りを片付けておきます
- 停電や通信障害に備え、情報収集の手段を複数用意します
まとめ
暴風雪警報は、雪を伴う強い風によって重大な災害が起こるおそれがあるときに気象庁が発表する警報であり、大雪警報や暴風警報とは危険の主体が異なる点を押さえておくことが大切です。
次に暴風雪警報が発表されたときは、まず気象庁や自治体の最新情報を確認し、不要な外出を控える判断を優先してみてください。
冬の天気の変化は急に訪れることもあるため、日ごろから警報や注意報の意味を知っておくと、いざというときの安心につながります。
本記事は防災に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の災害や個々の状況における安全を保証するものではありません。備蓄品・防災用品の選定や災害時の対応については、内閣府・気象庁・消費者庁・お住まいの自治体などの公式情報もあわせてご確認のうえ、ご自身の状況に応じてご判断ください。

